ホテルのレベニューマネジメントの具体例を分かりやすく

分析機能
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ホテル・旅館の売上を伸ばすレベニューマネジメントですが、お困りの方も多いのではないでしょうか?
もし、レベニューが短い時間でできて、売り上げが今まで以上に伸ばせたら嬉しいと思います。

このQAでは、レベニューマネジメントを短い時間で行いながら、価格の最適化を行う考え方の1つを具体的な例を使って分かりやすく解説します。

ホテル・旅館のレベニューマネジメントでお困りの声

レベニュー

こんなお悩みをしているホテル・旅館の方は多いと思います。

・毎日レベニューを行う時間がない
・限られた時間では直近のレベニューしかできていない
・翌月、翌々月のレベニューはほとんどできていないので、価格を上げれる日を上げきれなかった。
・予約が入っている日、キャンセルが出ている日を確認するのにとても時間がかかる。
・稼働が高い日の価格をもっと上げていいのか、現状維持でよいのか判断に迷う
・グループ(団体)の予約がキャンセルになって稼働が低くなっているのに、適正価格に調整できていなかった
・地域でイベント等の開催(アーティストのライブなど)があり、通常より多くの予約が入っていることに素早く気が付きたい
・予約がしばらく入っていない日を確認したい

一般的なホテルのレベニューの方法

在庫調整・料金コントロール
1)今日の在庫数を確認する
2)昨日からの予約数を確認する。周辺・競合施設の本日の価格を確認する
需要を予測し、満室(目標稼働数)に不足する予約ペースであれば、値段を下げるか判断する。

3)明日の在庫数を確認する
4)昨日からの予約数を確認し、周辺・競合施設の価格を確認する。
需要が低く満室(目標稼働数)に不足する予約ペースであれば、値段を下げるか判断する。
需要が高く早いペースで満室(目標稼働数)に達する予約ペースであれば、値段を上げるか判断する。

5)あさって以降で在庫が多い日、少ない日を確認し、気になった日について、最近の予約数を確認し、周辺・競合施設の価格を確認する。
需要により値段を上げるか下げるか判断する。

課題点

レベニューは確認する宿泊日が多くなるほど、作業時間が長くなる傾向があります。
多くの頻度(短い間隔)できめ細かく行う方が、売り上げが伸びる傾向があります。

一般的に、宿泊日1日の予約ペースを確認するだけで、1~2分かかってしまい、一か月分を確認するのに30~60分ぐらいかかると思われます。

翌月、2か月後、3か月後、4か月後と調べた場合、2~4時間。
これを毎日行うのは無理!!というお宿様は多いことでしょう。

ステイシーを使ったレベニューマネジメントの効率化

レベニューマネジメントに役立つツールとして以下のツールがあります
1)在庫増減表
2)ブッキングカーブ
3)分析機能

このQAでは、在庫増減表を使ったレベニューマネジメントの効率化についてご紹介しております。

ブッキングカーブについては、こちらのブッキングカーブを使った価格コントロールの事例をご覧ください

在庫増減表

ステイシーでは、カレンダーで在庫が減っている日、在庫が増えている日を一目で見る機能を追加しました。
オンハンドの在庫状況と当日から7日前の在庫の増加・減少状況が一目で確認できます。

在庫増減表は、ステイシーのオプション機能です。「分析機能 → 客室在庫増減表」を選ぶと表示されます。

※2023年10月時点ではベータ版のため、一部テスト施設の限定公開です。
※分析機能を申し込みされていない場合は分析機能のお試しをすることが可能です。

在庫増減表

 

下記の画面は、10月、11月、12月の在庫数の増減と、現在の在庫数を表示しています。

旅館7日間の予約増減

数字の見方について

カレンダーの数字について

カレンダーの上段は在庫の増減数を表示しています。
下段は現在の在庫数です。

毎日0時台に在庫数を自動的に記録しています。記録した在庫数と現在数を比較しています。
比較は「当日」「1日前」「2日前」・・・・「7日前」が選べます。

「当日」が選択されている場合は、今日の0時ごろの在庫数と今の在庫数の比較です。
今日どれだけ予約が入っているのか確認できます。

「1日前」が選択されている場合は、昨日の0時ごろの在庫数と今の在庫数の比較です。

「7日前」が選択されている場合は、7日前の在庫数との比較です。

増減表の読み方

在庫増減カレンダー

7日間が選択されているケースで説明します。

11月4日は「ー8」「13」と表示されていますので、最近7日間で8室在庫が減ったことになります。
現時点の在庫数は13室となります。

11月2日は「0」「0」と表示されていますので、最近7日間では在庫数の増減は0です。
在庫数が0なので満室になっています。

11月6日は「+23」「30」と表示されていますので、最近7日間では在庫数が23室増えています。
おそらく団体予約がキャンセルになったのでしょう。
キャンセル前は 30-23で7室でしたので、稼働が高い状態でした。値段を通常より少し上げているのであれば、値段の見直しが必要かもしれません。

レベニューマネジメント その1 全体的な予約の動きを見る

ビジネスホテル 予約入り状況

こちらはビジネスホテルの予約増減表の例です。
11月17日ごろまでは予約が増減していますが、12月はほとんど予約が増減していません。
12月の販売価格が高すぎるのでなければ、このホテルでは、翌月以降の予約はあまり入らないことが分かります。
リードタイムが短めの宿だと分かります。
つまり翌月以降のレベニューは積極的に行わなくてよい宿とわかります。
(でも特日などは時々確認しておきましょう)

なお11月17日の予約が団体予約でなければ、在庫3室は売れすぎている可能性があるので、価格を確認した方がよいでしょう。

レベニューマネジメント その2 値段が上げれる日、下げた方がいい日を見つける

旅館 在庫増減表

レベニューマネジメントは需要に応じて値段の上げ下げを行いますが、実際に需要がある日なのか、需要がない日なのかは、販売しながら判断することになると思います。予約が通常より早いスピードで入り、早々に満室になることが見込める場合は値段を上げることができます。
数日に渡り予約が入らない または キャンセルで予約件数が減り、満室になることが見込めない場合は値段を下げないと稼働率が下がり、場合によっては売り上げが昨年より下がってしまいます。

そこで、在庫増減表で当日から7日間の需要を確認しましょう。

濃い青色の日は、在庫が多く減っている日です。濃い赤色の日は在庫が多く増えている日です。
この画面の例は10月25日に表示した画面です。

※ここからは事例がたくさん出てきます。「在庫増減表の注意点」まで読み飛ばしていただいても大丈夫です。

【宿泊日10月26日の場合】

翌日の10月26日は「ー7」となっているので、1日平均1件のペースで予約が入っています。
同じペースなら、翌日は満室にならないでしょう。
ただ、ホテルによっては前日・当日の予約入りが悪い(リードタイムが長め)のホテルもあります。
表示期間を「7日間」→「1日間」「当日」に変更して、直近の予約ペースを確認し周りの宿の値段を確認した上で値段の上げ下げを判断しましょう。

【宿泊日11月25日の場合】

7日間で3件在庫が減っています。現在は10月25日なので、11月25日は約4週間先です。
現在の在庫数が7室なので、同じペースで予約が入った場合は、2週間ちょっとで満室(宿泊日の2週間前に満室)となります。

一週間前から予約がほとんど入らないようなリードタイムの長いホテルであれば、今のペースでもよいかと思いますが、10月のカレンダーから直近でも予約が入るホテルだと分かります。

2週間前に満室となるのは予約ペースが速いと考えられます。
値段が周りのホテルより安くなっている可能性があるので、楽天トラベル、じゃらんなどお客様画面で競合ホテルの価格、残室数を確認しましょう。

【宿泊日12月2日の場合】

現在の在庫数は18室です。15室増加しているので、一週間前は在庫数が3室でした。
単価を上げやすい土曜日ですので、値段(料金ランク)が通常より高く設定しているのであれば、適正な価格に修正が必要です。

また団体予約や直予約(電話予約)のキャンセルであれば、サイトコントローラーの在庫数を適正に追加しているのか確認しましょう。

【宿泊日12月10日の場合】

在庫数が15室減少し残り11室です。
団体予約であれば、値段のコントロールはしなくてよいかもしれません。
日付をクリックし客室画面にて、予約の内訳を確認しましょう

個人予約であれば、周囲に比べて値段が安いのか、有名アーティストのライブコンサートなどイベント開催が発表された可能性があります。
約1.5か月先ですが、このペースだと5・6日後には満室になっているでしょう。

競合ホテルの価格を確認し、安いようであれば料金ランクを上げましょう。

【宿泊日12月19日~23日】

7日間での在庫数の増減がありません。需要が悪い時期なのであれば、値段をさらに下げるなど競合ホテルが特価プランを販売していないかなど周囲の値段を確認し料金をコントロールしましょう。

3日後に見ると

在庫増減表

10月25日に価格を調整した結果を確認するのに「2日前」を選択すると10月26日の0時台から現在(10月28日)までの予約の増減が確認できます。

10月26日は満室になりました。

11月25日の価格はホテルで販売する上限だったため、価格を上げなかった結果、さらに在庫が2室減りました。
(ホテルの最低価格、最高価格の見直しなど単価の底上げを検討する段階にきている可能性があります)

12月2日は価格を調整しましたが、在庫が2室減りました。2日間で2室だとペースが速い可能性があるので、価格を上げるか確認が必要です。

12月10日は団体予約でした。料金の変更は行わず2日間で在庫は減っていません。

12月19日から23日は価格を見直しした結果、在庫が1室減っている日があります。約50日先なので2日で1件予約が入るペースが続いた場合は25件の予約が入ることになります。在庫数22~27室なので、予約ペースとしては現状は適正なペースと考えられます。

 

在庫増減表の注意点

「+1」と表示されている場合、単純に考えると1件キャンセルされたと考えられます。
ただ、実際には「キャンセルが2件、予約が1件で2-1で1室増加」しているケースや「キャンセルが10件。予約が9件で1室増加している」ケースもありえます。

ホテルレベニューマネジメント用語

プロの方には僭越ではありますが、ホテルの売上に関して、新入社員、レベニューマネージャー初心者の方が知っておくとよい用語をまとめました。

ADR(平均客室単価)

・1室あたりの客室の平均売上
・1日あたりの売れた客室の売上を売れた部屋数で割ったもの(月間、年間、部屋タイプ別で見る場合もある)

月間のADRが昨年の同月と比べて下がっている場合や、周辺の宿の伸びに比べて伸び悩んでいる場合は、価格コントロールが適正でない可能性もある。
口コミの点数が下がることにより成約率が下がっている場合も、ADRを下げたコントロールをしないと予約件数が伸びないこともあるなど、様々な要因で上下する

リードタイム

予約日から宿泊日までの日数
直近に予約が多いホテルはリードタイムが短い。当月の予約より前月以前の予約が多いなど直近の予約が少ないホテルはリードタイムが長い。
などといいます。
リードタイムが長いホテルは、早い段階で満室に近づけるような価格コントロールが必要となります。

在庫増減表では予約が動いている日・動いていない日を俯瞰して確認しやすいです。

ブッキングペース

販売開始日から、宿泊日までの間に予約が入るペース。
予約の入りペースは一定ではないが曜日や季節ごとの傾向を見ることで最適なコントロールのヒントになることも

稼働率

ホテルの室数に対して予約された室数の比率。
満室になると稼働率100%となる。
定常的に稼働率が90%を超えているようであれば、最低価格の底上げなどの検討も行うための指標にも使える。

 

まとめ ホテル・旅館のレベニューマネジメントが効率的に行えます

ホテルのお悩みは、在庫増減表を使うことで

・在庫調整に使える時間が1日5分でも在庫の増減が大きな日を確認することは可能
・半年先まで在庫の増減が見えるので、直近に限らずレベニューがスムーズに行えるので、お客様のサービスに使える時間が増えます。
・予約が入っている日、キャンセルが出ている日がすぐ分かるので、時間がかかりません。
・当日から7日間の予約の入り状況を確認できるので、値段の上げ下げを予約のペースを確認して判断の指標の1つに使えます。
・団体でキャンセルがあると、濃い赤色で表示されるので、団体キャンセルを見逃さず、適正な価格へスムーズに調整できます。
・地域でイベント等の開催(アーティストのライブなど)など、予約が急増すると、濃い青色で表示され、すぐに確認できます。
・予約が入っていない日は、赤・青の色がついていないので、分かります。

このように適正な価格への調整と稼働率の向上が見込めるので、ADRのアップだけでなく、RevPARのアップも期待できます。

宿の売上をまだまだ伸ばせる余地があると感じているお宿様は、ぜひご活用ください。

なお在庫増減表などステイシーには、レベニューアシスタントのようにおすすめのランク(最適な販売価格の推奨)を提示する機能はありません。
またお宿の中で、食事のみ提供している部屋、素泊まりのみ提供している部屋が混在している場合は、どちらの部屋が売れているかは分かりません。

レベニューをAIなどで自動的に判断するサービスを希望される場合は、リクルートのレベニューアシスタントを検討ください

 

ステイシーでは当月・翌月のオンハンド状況を分析できます。使い方は下記のボタンを押してご覧ください

オンハンド分析を使う方法はこちら

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