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ホテルのレベニューマネジメントとは?宿泊料金の決め方・ADR・RevPAR・価格調整を解説

ホテルの売上を伸ばすために欠かせない考え方が、レベニューマネジメントです!

レベニューマネジメントとは何か?
宿泊需要や予約状況に合わせて、宿泊料金・在庫・販売チャネルを調整し、売上と利益を最大化するための考え方です。

簡単に言えば、宿泊したいお客様が多い日は安く売りすぎない。反対に、予約が入りにくい日は価格を見直して、空室をできるだけ減らす。これを感覚だけではなく、稼働率、ADR、RevPAR、リードタイム、ブッキングカーブなどの数字を見ながら判断していくのが、ホテル・旅館のレベニューマネジメントです。

この記事では、とあるホテル・旅館グループのマーケッターGENが、ホテルのレベニューマネジメントの基本を、新入社員や新しく宿泊販売を担当する方にも分かりやすいように解説します。
さらに、中級者以上のレベニューマネージャーの方向けに、30室のホテルを例に、勘に頼らずに販売開始時の値付けや、需要が高い日・普通の平日・価格を上げるか迷う日の判断を定量的に行う方法についてお話いたします。

レベニューマネジメントとは?

レベニューマネジメントとは
レベニューマネジメントは何のためにするのか?

簡単に言うと「ホテル・旅館の売上を最大化するため」です。

ただし、単に宿泊料金を上げることではありません。

適正な価格で客室を販売し、売上と利益を確保することで、スタッフ体制の維持、サービス品質の向上、設備投資、将来の改装などにつなげることができます。

つまり、レベニューマネジメントはホテル・旅館を安定して運営し、お客様によりよい宿泊体験を提供し続けるための大切な考え方です。

ホテルのレベニューマネジメントとは

レベニューマネジメントは、ダイナミックプライシングという言い方も含めると飛行機・テーマパークなどの遊戯施設・ホテルなどで行われています。

ホテル・旅館のレベニューマネジメントとはどういうものなのか?

いろいろな手法や考え方などありますが、基本的な考え方を教科書的に言うと「需要に合わせて価格や販売数を調整し、売上を最大化するための考え方」ですね。

これを新入社員に言っても、全く伝わらないと思います。

分かりやすく言うなら
宿泊するお客様が多い日は価格を上げる。宿泊するお客様が少ない日は価格を下げる。
満室になる日は価格を上げる。空室が多くなりそうな日は価格を下げてでもお客様の数を増やす。

と言えば伝わりますでしょうか?
実際には清掃コストや食事原価などの都合があるので、利益最大化の考えを入れると単純にそのようにするのが経営として最適解ではないケースもありますが、ひとまず売上最大化に限定してお話します。

ホテル・旅館では、日によって需要が大きく変わります。
平日と土曜日、連休、年末年始、花火大会、ライブ、地域イベント、インバウンド需要などによって、同じ客室でも売れる価格は変わります。

需要が高い日にいつもと同じ価格で販売してしまうと、本来得られたはずの売上を逃してしまいます。反対に、需要が低い日に高い価格のまま販売していると、予約が入らず空室が残る可能性があります。

ホテル・旅館 販売の制限

では具体的には何をするのか?

という話の前に、ホテル・旅館の場合の販売に関する制限についてお話します。

ホテル・旅館の客室は1日に販売できる数が決まっています。
30室のホテルであれば、1日30室しか販売できません。
これがお土産などの商品であれば、大量に仕入れをして大量に売るという販売量の変化をつけることもできますが、部屋は増えないので1日に売れる最大数が決まっています。

※デイユースなどは除いて

さらには、お土産であれば売れ残れば次の日以降にも売ることができますが、客室の在庫は残ってしまっても、次の日にその在庫を引き継ぐことができません。

例:30室のホテルで10室売れ残ったから、翌日は40室売れる ということはできない。

また宿泊できる組数、人数にも上限があります。

例:定員2名のツインルームしかない30室のホテルの場合、1日に泊まれる上限は30組60人。定員4名の和室しかない30室のホテルの場合、1日に泊まれる人数の上限は30組120人です。

ホテル旅館の制限の中で売上を伸ばす

先ほど説明したように販売できる組数・人数に限りがあり、売れる期間にも限りがあるのが宿泊商品です。

その制限の中で売上を伸ばすにはどうすればよいでしょうか?

いろいろなパターンを考えてみましょう。

パターン1:満室にすればよい?

満室になれば売り上げが一番多くなりそうですね。
でも、満室であれば 常に売上が最大ということにはなりません。

もう少し考えてみましょう。

パターン2:定員人数の予約のみで満室にすればよい?

2名ツインルームしかないホテルであれば1名の販売はせずに、2名の予約しか受付せず、満室になれば、売り上げが多くなりそうですね。
でも、他の視点はないでしょうか?

また定員4名の和室しかない30室のホテルで4名の予約しか受付しないのでは、満室にするのが難しい日も多いと思います。

パターン3:宿泊金額を高くすればよい?

1人1万円で販売するのではなく、1人2万円。いや1人10万円で販売すればどうでしょうか?
2名定員の30室のホテルなら、売り上げが 1人1万円なら1日の売上が60万円ですが、1人10万円なら1日の売上が600万円になります。

宿泊費が1人10万円で泊まってくれるホテル・旅館は限られるのではないかなと思います。
今まで1人1万円で販売していたホテルが、突然 1人10万円で販売すると1件も予約が入らないのではないでしょうか。

※超繁忙日などを除く

パターン4:宿泊金額を少しだけ高くすればよい?

1人1万円で販売していた価格を1人1万5000円にすれば2名定員の30室のホテルなら1日の売上が60万円から90万円に増えます。

でも、実は1人2万円でも満室になった日もあるかもしれません。2名定員30名のホテルなら、1日の売上が120万円になったので、1万5000円で販売していたら30万円の売上を逃したことになります。

逆に、1人1万円でもあまり予約が入らない日は、1人8000円に下げないと売れなかったのかもしれません。

どのようなコントロールうするのがよいのでしょうか?
この後、解説します。

価格のコントロールをするために

この後の話をするための予備知識として、
どの宿でも使っていると思いますが、サイトコントローラという価格と在庫を調整するツールを使って販売している全てのOTAや自社ホームページの価格・在庫を操作します。

サイトコントローラにはランクという設定項目があります。

一番安い価格はAランク。2番目に安い価格はBランク、3番目に安い価格はCランク。以後 D,E・・・と続きます

部屋や宿泊プランごとに Aランク、Bランクなど各ランクに料金を設定します。
(1部屋ごとの予約人数ごとに金額が設定できます)

価格を決める基本的な考え方

自社が競合施設に対して圧倒的に優位でない限り、お客様がどこの宿を選ぶのかは、競合施設との価格差によるところが大きくなると思います。
需要が少ない平日であれば、競合施設や周辺エリアのホテルは最安価格(特価プランやクーポンも使い)であったり、最安価格より少し高いぐらいの価格になっているところが多いでしょう。

ゴールデンウイークや3連休であれば、多くのエリアでは高価格で販売されているので、自社の値段を高くしても、競合施設と乖離した高い価格でなければ予約されるでしょう。

多くの施設がレベニューマネジメントを行っているので、エリアの需要に応じて競合施設の販売価格も上下します。
ただし、団体予約や、たまたま複数部屋を予約する個人団体などの予約により稼働が上がっている場合や、スタッフが不足していて多くの予約が取れない日など宿の状況により需要が低い日でも値段を上げている競合施設もあるでしょう。

そのため単純に競合施設の価格に合わせた価格調整がエリアの需要に応じた適正価格ではないケースもありますが、競合施設に合わせるというのは、1つの考え方になります。
ただし、売上最大化に繋がる考え方ではありません。

それには口コミの点数や様々な要因があると思います。

レベニューマネジメントで売上を伸ばす考え方

ホテル 値付けのタイミング

売上を伸ばすために行うことは、いくつかのタイミングがあると思います。

・販売開始時
・一か月以上先(リードタイムが長い宿なら2か月以上先ということも)
・一か月以内
・一週間以内の直近

※予約が大きく動き出すが一か月以内。一週間以内から当日でも予約が入る宿の場合。リードタイムによって一か月なのか2か月なのか。一週間なのか2週間なのか期間は変わります。

タイミング1:販売開始時の値付け

ホテルの宿泊販売は、一般的には6か月前から1年前に開始する施設が多いかと思います。

販売開始時の価格が安すぎると、販売開始した当日や数日中に売り切れてしまうこともありえます。

かといって、高すぎると予約が入らないこともあるでしょう。

安すぎるのか、高すぎるのか。何を基準に判断してランクの設定をすればよいでしょう?

タイミング2:一か月以上先の値付け

予約が大きく動き出す期間ではないとはいっても、一か月以上前の予約が0件という宿は少ないと思います。

販売開始時から一か月以上前まで入る予約件数が全体の30%ぐらい。50%ぐらいなど宿によって入りのペースがあると思います。

周りの宿の価格に合わせてコントロールしている宿と、自社の稼働率を元に価格をコントロールしている宿。その両方を判断基準にしている宿もあると思います。

ただ、結果として相場に対して値段が高めになっていて、予約が入っているが件数が少ない。
逆に、昨年より値段が安く売れていて、予約件数のペースは良いが売上額が少ない。
そんな状況になっていると、最終的なその日の売上額は昨年対比で下がってしまうかもしれませんね。

ではどうやって、その状況を把握すればよいでしょうか?

タイミング3:一か月以内の値付け

予約が大きく動き出す期間に入ると、競合施設も価格調整が頻繁に行われると思います。
自社が値段を上げると、競合施設も上げてくる。
自社が値段を下げると、競合施設も下げてくる。

日々の価格調整だけに注目していると、月単位での売り上げが昨年より下がっていることもありえます。

その原因は、価格が高くて稼働が低くなっている場合と、価格が低いが、稼働が上がりが足りていないという可能性もあります。

月全体を俯瞰して見て、価格戦略を考える必要があります。
できれば2か月以上前から、月全体を俯瞰して見た方がいいです。

では、どうやって見ればよいのでしょうか?

タイミング4:一週間以内、直近の値付け

直近になって空室が多ければ、旅館であれば普段販売していない素泊プランや朝食プランなど夕食無しのプランを販売していることも多いでしょう。
特価プランも販売して最安価格での販売をしている宿も多いのではないでしょうか。

このような状況になれば、少しでも予約される確率が高くなるように販売するしかないでしょう。

繁忙日で残室数が僅か。競合施設も満室または残室僅かであれば、予約が入る範囲で価格を高く設定するなどの判断をすることになると思います。
このような状況であれば、価格が高すぎて売れ残りが出ないように、しっかり売れ行きを確認することが大切です。

ただ、夏休みのような毎日が繁忙日の時期に、見逃す・タイミングが遅いなどなく適切なタイミングで忙しい中、価格調整をするのは大変な宿も多いでしょう。

どうすれば効率的にできるでしょうか。

レベニューマネジメント用語

具体的に説明する前にいくつかのレベニューマネジメントに必要なホテル用語・指標を紹介します。

稼働率|どれだけ客室が埋まっているか

稼働率は、販売可能な客室のうち、どれだけ予約で埋まっているかを示す指標です。

たとえば、30室あるホテルで24室予約が入っていれば、稼働率は80%です。

稼働率が高い日は、需要が高い可能性があります。早い段階で稼働率が高くなっている場合は、価格を上げる余地があるかもしれません。

一方で、宿泊日が近づいているのに稼働率が低い場合は、価格やプラン内容を見直す必要があるかもしれません。

【記事】稼働率とは?稼働率の目安とは

ADR(エーディーアール)|1室あたりの平均客室単価

ADRは、販売した客室1室あたりの平均単価です。
客室売上を販売室数で割ることで計算できます。

10室のホテルで10室全て売れた時に、売上額の合計が10万円ならADRは1万円です。
10室のホテルで5室売れたときに、売上額の合計が10万円ならADRは2万円です。

ADRが高くなれば、同じ販売室数・稼働率でも売上が伸びていることが分かります。

ただし、ADRを上げすぎる(販売価格が高い)と予約が入らなくなり、稼働率が下がります。

ADRが上がっても、上がった割合よりも稼働率の下がった割合の方が大きいと合計の売上額が下がります。

そのため、ADRだけを見るのではなく、稼働率や予約ペースとあわせて確認することが重要です。

RevPAR|販売可能な客室1室あたりの売上

RevPARは、販売可能な客室1室あたりの売上を示す指標です。

客室売上を販売可能客室数で割ることで計算できます。

RevPARを見ると、単価と稼働率のバランスを確認しやすくなります。

たとえば、ADRが高くても空室が多ければRevPARは伸びません。反対に、稼働率が高くても安く売りすぎていれば、RevPARは伸びにくくなります。

ホテル・旅館の売上改善を考えるときは、ADRと稼働率の両方を見ながら、RevPARを高める意識が大切です。

なおホテルによっては、休館日や故障部屋などを除いた実際に宿泊可能な部屋の数を販売可能な室数として考えるケースがあるようです。

実際に売れるものに対して最大限 販売努力をするという意味ではよいのですが、
稼働が低い宿の場合、故障部屋(エアコンの故障や部屋の損傷、汚損)をずっと放置するとRevPARを上げることができる。
閑散期の休館日を増やすとRevPARを上げることができる。
という結果になるため、宿の売る力を把握するためには休館日・故障部屋についても販売可能は室数に加えることが望ましいでしょう。

リードタイム|何日前から予約が入るか

リードタイムとは、予約日から宿泊日までの日数のことです。

簡単に言えば、「お客様が何日前に予約することが多いか」です。

ビジネスホテルでは、宿泊日の1週間前から前日・当日に予約が増えることがあります。
旅館やリゾートホテルでは、1か月以上前から予約が入ることもあります。
離島など飛行機で移動がメインの地域や山奥など市街地から遠いエリアでは2か月以上前の予約が多く、当月の予約が少ないこともあるでしょう。

リードタイムが短い宿と長い宿では、価格を確認すべきタイミングが変わります。
リードタイムが長い宿では、直前に値下げしても予約が増えにくいことがあります。反対に、リードタイムが短い宿では、直前でも予約が大きく動くことがあります。

リードタイムについて詳しく知りたい方は、リードタイム 同じエリアでも宿タイプによって違うもあわせてご覧ください。

ブッキングカーブ|予約の入り方を時系列で見る

ブッキングカーブとは、宿泊日に向けて予約がどのように増えていくかを表したグラフです。

宿泊日の何日前に何室売れていたのか、売上額はどのように増えたのか、ADRはどのように変化したのかを確認できます。

ブッキングカーブを見ると、「前年より予約が早い」「今年は予約の入りが遅い」「単価を上げた後に予約が止まった」などの変化に気づきやすくなります。

ブッキングカーブを使った価格判断の具体例は、ホテルの売上が伸びる人は見ている、ブッキングカーブで分かる価格判断の正解で詳しく紹介しています。

イールドマネジメント・ダイナミックプライシングとの違い

レベニューマネジメントと似た言葉に、イールドマネジメントやダイナミックプライシングがあります。

イールドマネジメントは、限られた在庫をできるだけ高い収益で販売する考え方です。ホテル業界では、客室という限られた在庫をどの価格帯で販売するかを考える場面で使われます。
食事を提供しているホテル・旅館の場合、利益額の低い料理を安売りして、客数を増やしても、対応するスタッフを増やしたことによる人件費増加分で、売らない方が利益が出る。というケースもあるかもしれません。
逆にバイキング料理を提供しているホテルの場合、用意している料理の量の範囲内の人数であれば、宿泊人数が増えてもコストが増えないので、安売りしてでも宿泊者を増やす方が売上・利益ともに増えます。

ダイナミックプライシングは、需要や残室数、曜日、イベント、競合価格などに応じて価格を変動させる仕組みです。

レベニューマネジメントは、それらを含むより広い考え方です。価格を変えるだけでなく、販売チャネル、プラン、在庫、需要予測、結果検証まで含めて、売上を最大化するための取り組みと考えると分かりやすいでしょう。
販売チャネルについては、OTAの手数料なども勘案して繁忙日には販売制限を行っている宿も多いでしょう。

宿泊料金を決める いくつかの方法、価格に影響する要因

販売開始時の値付け

販売開始時に価格を決める方法として下記があります。

・過去の販売実績(稼働率、売上額、ADR、1人単価、宿泊人数)
・イベントの開催(花火大会、アーティストのライブ、展示会など)
・競合施設の価格

販売開始後の価格変更

・過去の販売実績(稼働率、売上額、ADR、1人単価、宿泊人数)
・イベントの開催(花火大会、アーティストのライブ、展示会など)の発表
・競合施設の価格
・予約が入るペース
・残室数
・天候(悪天候による大幅な需要減)

過去の販売実績から値付けを決める方法

ホテル・旅館の販売プラン・料理内容、施設の状態(改装)、口コミの点数、競合施設の数、状態が昨年と同じであれば、同じ時期の売上は同じようになる傾向から、価格を決めます。

昨年の同じ週の同じ曜日の売上額、稼働率、ADRを見ましょう。

昨年の同じ週の同じ曜日とは、 例えば、2026年7月4日(土)の価格を決める時は、2025年7月5日(土)のことです。
8月12日から15日や12月31日、1月1日のような曜日に関係なく需要が高くなる日は、昨年の同じ日付を見ます。

ツインルーム30室のホテル。素泊まりプランのみの仮定ホテルの場合、

需要が高めの日

レベニューマネジメント

昨年が売上額120万円 ADR4万円、稼働率100%であれば、1人あたりの販売価格の平均は2万円だったことが分かります。
販売時は高めにして状況に応じて価格を下げることが多い場合は、販売開始時の値付けを2万円にしてしまうと、直近で2万円以下に下げた場合は昨対を割ってしまうかもしれません。
途中で値段を上げるのであれば2万円スタートでもよいと思います。

でも、物価高・人件費アップのご時世。昨年と同じ売上だと利益が下がってしまいます。

昨年より売上を伸ばしたいので、私は2万2千円か2万4千円で販売開始して、一か月ほど様子を見たいと思います。

半年前に予約する方は、少し高くても予約していただける方もいらっしゃるので、最初の一か月は昨年の平均価格より高くてもよいのではないかと考えています。

普通の平日

昨年の売上額 約21万円 ADR1万2千円。稼働率60%(18室販売)。平均人数が1.2人であれば、1人あたりの販売価格の平均は10,000円だったことが分かります。
Aランク 素泊まりの価格が10000円であれば、最初から最後までAランクで販売していたということになるでしょう。

稼働率も60%と低いので、販売開始時の値付けは10000円(Aランク)となりますね。

ただ、このような低稼働の日が多いのであれば稼働率を上げ、売上を最大化するためには、10,000円以下で販売する特価プラン、特価プラン在庫も用意した方が良さそうです。

金曜日など平日で値段が上げられるか迷う日

昨年の売上額63万円。稼働率100%でADR2万1000円。平均人数1.5人。単価 14000円であれば、稼働が100%ということは価格が上げられた可能性を考えます。
単価18000円でスタートしてもいいかもしれません。

1日ごとに 稼働率、宿泊単価を見るのは大変なのでは・・・

ここまで読んで、これって結構作業量が多くて大変じゃない? って思った方もいませんでしょうか?
販売開始するときは一か月分まとめて販売されるので、多い月で31日分。稼働率、ADR、1人単価を確認する必要があります。

Stayseeの分析ツールなら、単日分析画面で一覧表になっているので一目で確認することができます。

売上分析ツール できること

レベニューマネジメントの基本的な進め方

レベニューマネジメントの基本

レベニューマネジメントは、感覚だけで行うものではありません。

もちろん、現場経験や地域感覚も大切です。しかし、売上を安定して伸ばすためには、数字を見ながら判断することが重要です。

1. 過去の販売実績を確認する

単日分析

まずは、過去の販売実績を確認します。
前年同月の1日ごとの売上額、稼働率、ADR、宿泊単価を確認しましょう。

稼働率が100%であれば、単価を上げられる可能性があります。
土曜日や連休などで3名以上定員の部屋であれば2名の宿泊を制限または単価を通常より高く設定してADRを上げられる可能性もあるでしょう。

販売開始時の価格設定として
宿泊単価より少し高くスタートして、昨年より高単価を目指すのか
少し低くスタートして確実に稼働を一定数確保してから価格を上げて、安定的な運営を狙うのか。
需要や宿の方針により異なると思いますが、どちらのパターンにするにしても、まずは過去の数字を確認してから決めます。

ステイシーなら分析機能の単日売上分析画面で前年の売上、稼働率、ADR、宿泊単価を一覧表で確認できます。

稼働率が通常の平日より低く、宿泊単価も低いのであれば、需要が弱かった日だと分かります。
台風・大雪・大雨などの特殊要因でなければ、このような日はAランクでの販売開始。さらには特価プランなどの販売も必要になると判断できます。

2. 予約の入り方とリードタイムを確認する

ブッキングカーブ(販売室数)

ブッキングカーブ(販売室数)

当月や一か月先については、予約の入りペースが前年と比べて進んでいるのか、遅れているのか確認しましょう。
稼働が低くても、前年より入りペースが速いのであれば価格を下げるのではなく、上げる判断をしないといけないケースもあるでしょう。

また予約の入りペースが速いのは前年より安売りしているからかもしれません。

ステイシーなら、ブッキングカーブで販売室数、売上額が確認できるので、販売数、売上額ともに昨年より調子がよいのか、
販売室数は多いが売上額が低い状態ではないか、確認することができます。

また、リードタイムが短い宿、繫忙日などで当日や前日でも予約が入ることが多いのであれば、直近になるまでは価格を高めにしてADRを上げ、直前に下げて埋めきるというコントロールも可能です。
逆に、リードタイムが長い宿や長い時期は、直前に価格を下げても大きく予約が伸びないので、早めに価格を下げて稼働を上げる必要がありますが、勘ではなくブッキングカーブから予約が動かなくなる日数を確認できます。

3. 月単位で稼働と価格のコントロールが適正か判断する

月によりエリアの予約が強い・弱い状況が発生することもあります。
エリアが弱いと周りの宿が価格を下げてきますし、エリアが強い時に価格を上げていなければ、宿全体の稼働率の進捗が前年より高くなるでしょう。

分析 単日分析

ステイシーなら単日分析で月ごとの売上・稼働率のオンハンド状況を昨年と比較してグラフで見ることができます。

オンハンド状況

例えば6月の売上のオンハンド状況が5月1週目の時点で売上額・稼働率ともに前年より大きく下回っていたとします。
このままでは6月の売上は昨対を割ってしまうことが予想されます。

オンハンド状況
そこで、平日は特価プランを販売。土曜日の繁忙日も価格を見直ししたところ、売上額・稼働率ともに順調に伸びてきました。
このペースであれば昨対を超えそうです。

どうやら、全体的に昨年より価格が少し高かったのかもしれません。
少しずつ値上げをしているので、需要が安い時期はAランクで販売してもマーケットに合わない価格になっていたのでしょう。

このように1か月ごとの進捗を見ることで全体的な価格コントロールが適正なのか、見直しが必要なのか判断することができます。

4.価格を上げるべき日・下げるべき日の判断方法・振り返り

レベニューマネジメントで悩みやすいのが、「この日は価格を上げるべきか、下げるべきか」という判断です。

ここでは、ホテル・旅館の現場で見やすい判断ポイントを紹介します。

予約ペースが早い日は、安売りしている可能性がある

宿泊日までまだ日数があるのに、すでに稼働率が高い日は、価格が安い可能性があります。

特に、前年同曜日より早いペースで予約が入っている場合は価格を上げる余地があります。
通常 宿泊日前日に満室になることが多い宿が、宿泊日の2週間も前に満室になっていれば、明らかな安売りをしていたと判断できますし、
宿泊日の数日前に満室になった場合でも、もう少し上げれたと考えられます。

支配人やマーケティング部の管理職の方が、担当者の価格コントロールの適正さを確認するには、ブッキングカーブを使うことができます。
ブッキングカーブの販売客室数の推移を見て様々な判断ができます。

あるタイミングから突然 予約件数が増加。宿泊単価を見ると、大きく値下げしているのであれば、価格の下げすぎが分かります。
もう少し下げ幅を小さくするか、予約件数が増え始めたタイミングですぐに値上げをする必要があったことが分かります。

なおブッキングカーブでは団体予約による影響も考えられますので、客室画面で実際の予約の内訳を確認しましょう。

リードタイムを知らずに価格を決めると失敗しやすい

リードタイムは、レベニューマネジメントでとても重要な考え方です。

なぜなら、宿によって予約が入るタイミングがまったく違うからです。

同じエリアのホテルでも、ビジネスホテル、旅館、リゾートホテル、簡易宿泊施設では予約の入り方が異なります。

リードタイムが短い宿は、直前の価格判断が重要

リードタイムが短い宿では、宿泊日の1週間前、3日前、前日、当日にも予約が入ることがあります。

このような宿では、早い段階で予約が少なくても、すぐに値下げする必要がない場合があります。

ただし、直前の予約ペースをこまめに確認する必要があります。

価格が高すぎると、最後まで予約が入らず空室が残る可能性があります。逆に、直前に安くしすぎると、本当は高く売れたお客様まで安い価格で販売してしまうことになります。

リードタイムが短い宿では、直前の数日間の判断が売上に大きく影響します。

また曜日によってリードタイムが異なることもあります。
細かなリードタイムをブッキングカーブで確認し把握しておきましょう。

リードタイムが長い宿は、早い段階での価格設定が重要

リードタイムが長い宿では、2か月前、3か月前から予約が入ることがあります。

このような宿では、早い段階で安く販売しすぎると、繁忙日を安い価格で早く売り切ってしまう可能性があります。

特に年末年始、連休、花火大会、地域イベントなどの需要が高い日は、早い時期から予約状況を確認することが大切です。

逆に高すぎる価格で販売していると、リードタイムが長いお客様を逃してしまい直前で大幅な値下げ販売をすることになります。

またリードタイムが長い宿は、直前になってから大きく予約が伸びにくいこともあります。

宿泊日が近づいてから空室が多く残っている場合、価格を下げても思ったほど予約が入らない可能性があります。

同じエリアでもホテルタイプによって予約の入り方は違う

同じエリアにある宿泊施設でも、予約の入り方は異なります。

ビジネス出張が多いホテルでは、直前予約が多いかもしれません。観光旅館では、週末や連休に早めの予約が入りやすいかもしれません。

インバウンドが多い宿では、海外からの旅行計画に合わせて早い段階で予約が入ることもあります。

そのため、「このエリアはリードタイムが短い」「旅館はリードタイムが長い」と一括りにするのではなく、自社のブッキングカーブを見て判断することが大切です。

リードタイムの具体的な考え方は、リードタイム 同じエリアでも宿タイプによって違うで詳しく紹介しています。

繁忙日・年末年始のレベニューマネジメントは特に注意

年末年始、ゴールデンウィーク、お盆、連休、地域イベントの日は、通常日より価格判断の影響が大きくなります。

高く売れる可能性がある一方で、価格設定を間違えると大きな売上機会を逃すこともあります。

高く設定しすぎると、直前に大きく値下げすることになる

繁忙日は高く売りたい日です。

しかし、相場より高すぎる価格を長く維持していると、予約が入らず空室が多く残ることがあります。

その結果、宿泊日が近づいてから大きく値下げして、なんとか満室にするという状況になるかもしれません。

この場合、満室にはできても、売上は伸びにくくなります。

繁忙日ほど、早い段階で予約ペースを確認し、価格が市場に合っているかを見直すことが大切です。

早く満室にしすぎると、売上アップのチャンスを逃す

反対に、価格が安すぎると早い段階で満室になります。

一見すると成功のように見えますが、本当はもっと高く売れた可能性があります。

特に、年末年始や大型イベントの日に数か月前から満室になっている場合は、価格が安すぎたかもしれません。

早く満室にすることだけを目標にするのではなく、どの価格で、どのタイミングで売れているのかを確認しましょう。

ブッキングカーブで売るタイミングを見極める

繁忙日の価格判断では、ブッキングカーブが役立ちます。

前年は何日前から予約が増えたのか。何日前に満室になったのか。どのタイミングで単価を上げたのか。値下げした後に予約は増えたのか。

このような情報を確認することで、今年の価格判断に活かせます。

年末年始の価格コントロール事例は、年末年始の売り方。宿泊 売り上げを伸ばす方法をブッキングカーブで模索するで詳しく紹介しています。

レベニューマネジメントを毎日行うのが難しいホテル・旅館へ

レベニューマネジメントは大切ですが、毎日十分な時間をかけられるホテル・旅館ばかりではありません。

特に中小規模の宿泊施設では、支配人やフロント責任者が、予約管理、現場対応、スタッフ管理、クチコミ返信、清掃指示などを兼務していることもあります。

そのような状況で、毎日すべての日程を細かく確認するのは大変です。

全日程を毎日細かく見るのは現実的に難しい

たとえば、今日から3か月先まで毎日価格を確認しようとすると、90日分の宿泊日を見る必要があります。

1日あたり1分で確認できたとしても、90分かかります。

さらに、競合価格、残室数、予約ペース、プラン内容まで見ると、かなりの時間が必要です。

毎日この作業を行うのは、現場にとって大きな負担です。

だからこそ、すべての日を見るのではなく、優先して見るべき日を見つけることが重要になります。

在庫増減表で、予約が動いた日から優先して確認する

在庫増減表
レベニューマネジメントでは、予約が大きく動いた日をすばやく見つけることが大切です。

たとえば、急に在庫が減った日は、予約が多く入った日です。需要が高まっている可能性があります。

反対に、急に在庫が増えた日は、キャンセルが出た日です。価格や販売方法を見直す必要があるかもしれません。

在庫の増減が見えると、全日程を細かく確認しなくても、まず見るべき日を絞り込みやすくなります。

短い時間でレベニューマネジメントを行うには、「どの日を確認すべきか」が分かる仕組みが役立ちます。

在庫増減表を使ったレベニューマネジメントの効率化についてはこちらの記事をご覧ください

レベニューマネジメントの注意点

レベニューマネジメントは売上アップに役立つ考え方ですが、注意点もあります。

価格だけを見て判断すると、お客様満足度や現場運営に影響が出ることもあります。

お客様に不公平感を与えない説明も大切

宿泊料金が日によって変わることは、ホテル・旅館では一般的です。

しかし、お客様によっては「昨日見た価格と違う」「同じ日に泊まるのに料金が違う」と感じることがあります。

そのため、料金が変動することを自然に受け止めてもらえる販売設計も大切です。

早期予約プラン、直前割、連泊プラン、食事条件、キャンセル条件など、価格差の理由が分かりやすいプラン設計にすると、お客様の納得感も高まりやすくなります。

価格だけでなく、プラン内容も確認する

予約が入らない原因は、価格だけとは限りません。

食事内容、部屋タイプ、キャンセル条件、チェックイン時間、OTA上の写真、クチコミ評価、プラン名、特典内容などが影響していることもあります。

価格を下げる前に、プラン内容が分かりやすいか、写真が魅力的か、競合施設と比べて見劣りしていないかも確認しましょう。

安易に価格を下げる前に、売り方を見直すことで予約が増える場合もあります。

過去データだけを信じすぎない

レベニューマネジメントでは、過去データが大切です。

しかし、過去と今年が同じ動きをするとは限りません。

天候、地域イベント、交通状況、インバウンド需要、競合施設の開業、口コミ評価の変化、OTAキャンペーンなどによって、予約の入り方は変わります。

過去データは判断材料のひとつです。

前年と同じように売るのではなく、今年の予約状況や市場の動きを見ながら調整することが大切です。

ホテルシステム・PMSを活用すると、レベニューマネジメントは効率化しやすい

レベニューマネジメントを行うには、予約状況や売上状況をすぐに確認できることが大切です。

紙や表計算ソフトだけで管理していると、在庫、予約、売上、キャンセル、過去実績を確認するのに時間がかかることがあります。

ホテルシステム・PMSを活用すると、日々の予約管理だけでなく、売上分析や在庫確認もしやすくなります。

予約管理と売上分析を分けずに確認できる

ホテル・旅館の現場では、予約管理と売上分析が別々になっていると、価格判断に時間がかかります。

予約は予約管理画面で確認し、売上は別の表で確認し、過去実績は別ファイルで確認するという状態では、毎日のレベニューマネジメントが負担になります。

ホテルシステム・PMSで予約情報と売上情報を確認できれば、価格判断に必要な情報を集めやすくなります。

在庫の増減やキャンセルに気づきやすくなる

レベニューマネジメントでは、キャンセルや予約増加に早く気づくことが重要です。

特に、団体キャンセルやイベント需要による予約増加は、価格判断に大きく影響します。

在庫の増減が分かりやすく表示されていれば、予約が動いた日から優先して確認できます。

忙しい日でも、見るべき日を絞り込めるため、短い時間でレベニューマネジメントを行いやすくなります。

ブッキングカーブで前年との違いを確認しやすい

ブッキングカーブを使うと、今年の予約状況と前年の予約状況を比較しやすくなります。

前年より予約が早いのか、遅いのか。前年より売上額が伸びているのか。ADRが高いのか、低いのか。

このような情報を確認できると、価格を上げるべきか、下げるべきか、維持するべきかを判断しやすくなります。

感覚だけではなく、数字を見ながら判断できることが、レベニューマネジメントの精度を高めます。

まとめ|レベニューマネジメント 宿の売上を伸ばすために理論的に判断する考え方

レベニューマネジメントとは、需要に合わせて価格や販売方法を調整し、ホテル・旅館の売上を最大化する考え方です。

単に高く売ることではなく、空室を残さず、安売りしすぎず、適正な価格で販売することが大切です。

そのためには、稼働率、ADR、RevPAR、リードタイム、ブッキングカーブ、競合価格、在庫の増減などを確認する必要があります。

ただし、現場では毎日すべての日程を細かく見るのは簡単ではありません。

だからこそ、予約が動いた日、キャンセルが出た日、前年と違う動きをしている日を見つけやすくすることが重要です。

Stayseeでは、ホテル・旅館の予約管理に加えて、ブッキングカーブや在庫増減の確認など、レベニューマネジメントに役立つ情報を確認しやすくできます。

毎日の価格判断に時間がかかっているホテル・旅館の方は、ホテルシステム・PMSを活用しながら、売上アップにつながるレベニューマネジメントに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
とあるホテル旅館のマーケティング担当 GEN
とあるホテル旅館のマーケティング担当 GEN
とあるホテル・旅館グループでマーケティングを担当しています。売上や稼働を伸ばし利益を上げるために、悩んでいること。解決策の一例を投稿しています。
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