宿泊予約システムの比較
目次
- 1 宿泊予約システムとは?
- 2 宿泊予約システムの機能
- 3 宿泊予約システムの選び方
- 4 主な宿泊予約システム(出所:公式Webサイト)
- 4.1 tripla Book(tripla株式会社)
- 4.2 CHILLNN(株式会社CHILLNN)
- 4.3 宿シス(株式会社ウイング)
- 4.4 Direct In S4(ダイナテック株式会社)
- 4.5 予約プロプラス(株式会社アビリブ)
- 4.6 リザエン(株式会社インタークエスト)
- 4.7 RESERVA予約(株式会社コントロールテクノロジー)
- 4.8 タビチャットエンジン(株式会社NinNin)
- 4.9 予約番(株式会社キャディッシュ)
- 4.10 Check Inn(Check Inn株式会社)
- 4.11 OPTIMA BOOKING(株式会社エス・ワイ・エス)
- 4.12 リピッテホテル(株式会社コネクター・ジャパン)
- 5 まとめ
宿泊予約システムとは?
ホテルや旅館などの宿泊施設が予約を管理し、販売を効率化するためのシステムです。オンラインでの予約受付、料金や空室の管理、複数の予約サイトとの連携、顧客情報の管理、決済処理などが主な機能です。これにより、予約業務の効率化、顧客満足度の向上、収益の最大化が可能になります。また、施設全体の運営を管理するPMS(プロパティマネジメントシステム)や、予約サイトとの連携を担うチャネルマネージャーと組み合わせて利用することで、さらに効果を発揮します。宿泊予約システムは、施設運営をスムーズにし、競争力を高める重要なツールです。
宿泊予約システムの機能
機能 | 説明 |
---|---|
オンライン予約機能 | 宿泊施設の公式サイトや予約サイト(OTA)を通じて、空室状況をリアルタイムで確認し、顧客が簡単に予約を完了できる機能。 |
在庫・料金管理 | 空室情報を正確に把握し、ピーク時や閑散期に応じた料金調整を可能にする機能。プロモーション料金や特別プランも簡単に設定可能。 |
チャネルマネージメント | 複数の予約チャネル(例: Booking.com, Expedia, Agodaなど)と連携し、在庫や料金を自動で同期する機能。オーバーブッキングのリスクを軽減。 |
顧客管理(CRM) | 顧客の名前、連絡先、過去の利用履歴を保存し、個別のニーズに応じたサービス提供やマーケティング施策に活用できる機能。 |
支払い処理 | クレジットカードやオンライン決済(例: PayPal)の対応により、予約時に安全かつ迅速に支払いを完了させる機能。返金処理やデポジット管理も可能。 |
キャンセル・変更管理 | 顧客が予約内容をオンラインで変更・キャンセルできる機能。キャンセルポリシーの適用も可能。 |
レポート機能 | 収益、稼働率、顧客属性、予約チャネルごとのパフォーマンスなどを分析するレポートを自動生成し、経営戦略に役立てる機能。 |
プロモーション管理 | 割引や特別プランの設定を行い、特定の時期や顧客層に向けたプロモーションを実施できる機能。 |
多言語・多通貨対応 | 海外からの顧客向けに複数の言語や通貨をサポートし、グローバルな予約体験を提供する機能。 |
通知機能 | 予約確認、リマインダー、キャンセル通知などを自動で顧客や施設スタッフに送信する機能。 |
宿泊予約システムの選び方
1. 必要な機能
- 基本機能: オンライン予約、在庫管理、料金設定、顧客管理、支払い処理が備わっているか。
- 追加機能: レポート分析やキャンセル処理、プロモーション管理などが必要なら確認。
- 拡張性: 施設の規模が拡大しても対応可能か。
2. 使いやすさ
- 直感的な操作性: 誰でも簡単に操作できるか。
- 設定の柔軟性: 料金やプラン変更がスムーズに行えるか。
- 顧客の利便性: 顧客がスマホでも簡単に予約できるか。
3. 連携機能
- チャネルマネージャーとの連携: OTA(例: Booking.com、Expedia)とスムーズに同期できるか。
- PMSとの統合: 現在使っているPMSと互換性があるか。
- 決済システム対応: クレジットカードやオンライン決済(PayPalなど)に対応しているか。
4. コスト
- 初期費用: 導入時の費用はどれくらいか。
- 月額料金: サブスクリプション型か、使用量による従量課金制か。
- 手数料: 予約ごとに手数料がかかる場合、その割合を確認。
5. サポート体制
- 対応言語: 日本語でのサポートがあるか。
- サポート手段: チャット、メール、電話など希望の方法で対応してもらえるか。
- 導入時サポート: トレーニングやマニュアルが提供されるか。
6. 対応範囲
- 多言語対応: 海外からの顧客向けに言語切り替えが可能か。
- 多通貨対応: 顧客がさまざまな通貨で支払えるか。
- 地域特化機能: 地域ごとの税金や法律(例: 宿泊税)に対応しているか。
7. レビュー・評価
- 他施設の評価: 実際の利用者の声をチェック。
- トライアル利用: デモ版を試して操作感や機能を確認。
8. 導入実績
- 規模の対応: 自分の施設規模(小規模〜大規模)に合った事例があるか。
- 業種の対応: 同業種(ホテル、旅館、民宿など)での導入実績が豊富か。
9. 今後のアップデート
- バージョンアップ: 定期的な機能更新が行われているか。
- 開発方針: 最新技術やトレンドに対応する姿勢があるか。
主な宿泊予約システム(出所:公式Webサイト)
tripla Book(tripla株式会社)
tripla Bookは、宿泊施設が自社ウェブサイトからの予約率を高め、業務効率を向上させるために設計された次世代型の予約エンジンです。その特徴は、ユーザーの利便性を徹底的に考慮した設計にあります。最短4クリックで予約が完了する直感的な操作性を実現しており、これによって予約途中での離脱を防ぎ、施設のコンバージョン率を大幅に向上させることができます。さらに、多言語対応が充実しており、日本語、英語、簡体字中国語、繁体字中国語、韓国語に対応しています。自動翻訳機能を備えており、部屋タイプやプラン内容が即座に翻訳されるため、海外からのゲストもストレスなく予約を行うことができます。必要に応じて、翻訳内容を管理画面からカスタマイズすることも可能です。また、柔軟な決済手段の提供も魅力の一つです。主要なクレジットカードブランドに対応しており、手数料率も業界最安クラスで提供されています。また、宿泊と航空券を組み合わせたダイナミックパッケージ機能も備えており、大手航空会社からLCCまで幅広い選択肢を提供します。これにより、遠方からの顧客を引きつけることができます。
CHILLNN(株式会社CHILLNN)
CHILLNNは、宿泊施設のブランド価値を高め、自社予約の増加を支援することを目的としています。宿泊施設の個性や雰囲気、歴史、体験価値など、数値化できない情緒的な魅力を自由に表現できる予約ページの作成を可能にします。これにより、宿泊前から顧客にワクワク感を提供し、ブランド体験を強化できます。さらに、ノーコードツール「Snack(スナック)」を内蔵しており、専門的なウェブ関連技術がなくても、誰でも簡単に予約ページを作成・管理できます。これにより、宿泊施設は自社のデザインやコンセプトに合った予約ページを自在に作成し、更新することが可能です。また、CHILLNNは実際にホテルを運営しながら開発された予約エンジンであるため、現場目線で求められる「管理画面の使いやすさ」「特殊プランの作成」「オプション販売機能」など、実務に即した機能を追加料金なしで提供しています。これにより、宿泊施設の運営効率を高め、顧客満足度の向上に寄与します。
宿シス(株式会社ウイング)
宿シスは、特に小規模な旅館やホテル向けに設計されています。このシステムは、現場の声を反映し、プランや画像の追加が容易に行えるよう工夫されており、パソコン操作に不慣れな方でも安心して利用できる点が特徴です。プラン、客室、日付、客室詳細、プランバナーなど、予約画面の各要素が利用者視点でデザインされており、サイト訪問者に内容をわかりやすく伝えることで、見込み客を逃しません。さらに、宿シスは「日帰り(0泊)」の予約にも対応しており、稼働率を高め、将来の宿泊利用にもつなげる効果を発揮します。満室日でも、お部屋が空いたらお知らせするキャンセル待ちの受付が可能で、逃していた売上を埋め合わせることができます。また、「Plugin」というサービスを提供しており、公式サイトからの宿泊条件検索で予約可能なお部屋が0室の場合に、連携する他の予約サイトの在庫状況をリアルタイムに調べ、予約可能な窓口を自動で案内してくれます。これにより、周辺施設への予約の流出を防止し、見えない販売機会のロスを防ぎます。
Direct In S4(ダイナテック株式会社)
Direct In S4は、宿泊施設の運営を支援するために設計された多機能で直感的なシステムです。このシステムの最大の特徴は、誰にでも分かりやすく操作できるユーザーフレンドリーなインターフェースです。特別なITスキルがなくてもスムーズに利用できるため、導入後のトレーニングや業務負担を最小限に抑えることができます。また、顧客が予約を行う際の画面も使いやすく設計されており、スムーズで快適な予約体験を提供します。料金プランの柔軟性にも優れており、施設独自のニーズに応じた多様な料金設定を簡単に管理できます。たとえば、季節ごとの料金変更や早期予約割引、連泊割引など、収益最大化に向けた戦略的な料金設定が可能です。さらに、自社予約サイトとの連携強化により、直接予約の割合を増やして中間手数料を削減し、施設の利益率を向上させることが可能です。また、多言語や複数通貨に対応しており、海外からのゲストにもスムーズな予約体験を提供することで、グローバルな需要にも対応可能です。
予約プロプラス(株式会社アビリブ)
予約プロプラスの最大の特徴は、直感的で多機能な予約システムです。このシステムは、予約完了までのプロセスを可能な限り簡略化し、利用者がストレスなく予約を完了できるよう設計されています。特に、最短3ステップで予約を完了できるシンプルな操作性が特徴で、予約途中での離脱を防ぎます。また、グローバル対応も視野に入れて設計されており、英語、中国語、韓国語、ベトナム語に対応した多言語機能を搭載しています。これにより、海外からのゲストにも対応可能となり、インバウンド需要を取り込むことができます。これらの言語は、ユーザーが直感的に理解できるよう最適化されており、国際的な予約システムとしての信頼性を高めています。デザイン面でも柔軟性を持たせており、施設のブランドイメージに合わせたカスタマイズが可能です。管理画面から簡単に予約ページの背景色や画像を変更できるため、施設のホームページと統一感のあるデザインを実現できます。これにより、ユーザーに信頼感を与え、施設のブランディングを強化することができます。
リザエン(株式会社インタークエスト)
リザエンは、2000年からサービスを開始し、20年以上の実績を持っています。 このシステムは、医療、スクール、美容、施設、来店受付、レンタル、イベントなど、200以上の業種で利用可能であり、幅広い企業が導入しています。リザエンの主な特徴として、予約業務の効率化と高いセキュリティ性が挙げられます。予約台帳機能により、予約状況を一目で把握でき、デザイン設定や画像設定が可能な予約サイト作成機能で、ビジネスに合った予約サイトを簡単に作成できます。また、顧客管理機能では、会員のランク分けや「会員のみが予約できる」「ゲストも予約できる」などの振り分け設定が可能で、顧客情報の内容変更やメールの一斉配信なども簡単に行えます。セキュリティ面では、アプリの脆弱性対策やサーバーの24時間365日監視システムなどが備わっており、自治体・官公庁、グローバル企業などでも導入されているほど、高水準なセキュリティ性が評価されています。
RESERVA予約(株式会社コントロールテクノロジー)
RESERVAは、宿泊施設を含む多様な業種に対応しています。 このシステムは、予約受付や管理、顧客情報の整理、オンライン決済、Zoomとの連携など、多彩な機能を備えており、350以上の業種で利用されています。大きな特徴は、初期導入費用が無料で、無料プランも提供されている点です。これにより、コストを抑えつつ予約システムを導入することが可能で、特に小規模な宿泊施設や初めて予約システムを導入する事業者に適しています。また、専門的な知識がなくても、数分で予約サイトを作成できるユーザーフレンドリーな設計となっており、既存の自社サイトへのリンク挿入も容易です。業務効率化の面でも、予約受付・管理に加え、顧客管理、自動メッセージ配信、多店舗管理、決済機能などを統合的に提供しています。これにより、宿泊施設の運営におけるさまざまな業務を一元管理でき、業務の効率化が図れます。コストを抑えつつ予約管理を導入したい宿泊施設にとって有力な選択肢となります。
タビチャットエンジン(株式会社NinNin)
タビチャットエンジンは、初期費用が0円、さらに基本利用料も無料で利用できる点です。導入コストを気にせずに自社予約をスタートできるため、小規模から大規模な宿泊施設まで幅広いニーズに対応しています。また、多言語対応が可能で、特に有料プランでは日本語以外の言語への翻訳機能を利用することができます。この機能により、国内だけでなく海外からのゲストにも対応しやすくなり、インバウンド需要を取り込むための効果的なツールとなっています。さらに、Googleホテル検索との連携ができる点も大きな強みです。有料プランを利用すれば、Googleホテル検索結果に自社の宿泊プランを直接表示させることができ、予約経路を増やし、OTAへの依存度を軽減することができます。柔軟性のある設定が可能で、料金プランや空室管理も簡単に調整できるので、特定の時期に合わせたプロモーションの設定や、長期滞在割引などの複雑な料金体系にも対応可能なため、収益性の高い運用が期待できます。
予約番(株式会社キャディッシュ)
予約番は、宿泊施設向けのインターネット即時予約システムです。このシステムは、旅館やホテルの公式ウェブサイトから直接宿泊予約を受け付けることができ、予約の簡便さ、管理の容易さ、そして経費削減を実現します。予約番の特徴として、まず多言語対応が可能で、英語、韓国語、中国語(繁体字・簡体字)、タイ語、フランス語、マレーシア語、ドイツ語の計8言語に対応しており、海外からの旅行者にもスムーズな予約体験を提供します。また、主要なサイトコントローラーとの連携が可能で、「TL-リンカーン」「TEMAIRAZU」「らく通」「ねっぱん!」などと連動し、自社予約とネットエージェントの料金や空室を一元管理でき、これにより予約サイトの管理業務が大幅に効率化されます。 さらに、スマートフォンからの予約にも対応しており、レスポンシブデザインを採用しているので、ユーザーはデバイスを問わず快適に予約手続きを行うことができます。宿泊施設の業務効率化と収益向上に寄与するシステムとして、多くの施設で導入されています。
Check Inn(Check Inn株式会社)
Check Innは、宿泊施設向けのオールインワン宿泊予約システムで、サイトコントローラー、PMS(プロパティマネジメントシステム)、自社予約システムが一体化したプラットフォームです。このシステムは、宿泊施設が複数のオンライン旅行代理店(OTA)や公式ウェブサイトでの予約管理を効率化することを目的としており、在庫や料金の一元管理、オーバーブッキングの防止、簡単操作の予約フォームを提供します。特に、自社予約システムはポップアップ型フォームを採用し、ユーザーがわずか3ステップで予約を完了できるよう設計されています。また、Googleホテル広告との連携により、公式プランを検索結果やGoogleマップに直接掲載し、施設公式サイトへの流入を促進します。さらに、多言語対応や初期費用無料といった特長を持ち、国内外の宿泊客をスムーズに迎え入れるための柔軟性を提供します。Check Innは、施設の運営効率化を図るだけでなく、コスト削減と収益最大化を支援する信頼性の高いシステムです。
OPTIMA BOOKING(株式会社エス・ワイ・エス)
OPTIMA BOOKINGは、ユーザーが直感的に操作できるデザインと機能を備えており、スマートフォンからの予約にも最適化されています。また、英語、韓国語、繁体字、簡体字などの多言語に対応しており、海外からの予約にも対応可能です。さらに、クーポン発行機能やポイント提供機能、会員機能などを標準搭載しており、顧客のリピート率向上や販売促進に寄与します。また、Google Analyticsとの連携も可能で、予約状況の分析やマーケティング施策の効果測定にも活用できます。料金体系は、宿泊施設の規模に応じた月額固定費用を採用しており、直販予約が増えるほどコスト効率が高まる仕組みです。また、導入時の初期費用は抑えられており、他社予約システムからのスムーズな切り替えも可能です。さらに、導入後のサポート体制が充実しており、専任スタッフによる迅速かつ丁寧な対応が提供されるため、初めて予約システムを導入する施設でも安心して運用を開始することができます。
リピッテホテル(株式会社コネクター・ジャパン)
リピッテホテルは、特にリピーター獲得に特化しています。このシステムは、LINE公式アカウントを活用し、宿泊施設と顧客との直接的なコミュニケーションを促進します。主な特徴は、顧客がLINE上でチャットボットと対話するだけで、簡単に宿泊予約が完了する点です。これにより、ユーザーはアプリのインストールや複雑な手続きを必要とせず、手軽に予約を行うことができます。また、チャットボットは24時間対応しており、顧客はいつでも予約や問い合わせが可能です。さらに、リピッテホテルは顧客データの蓄積と分析を通じて、パーソナライズされたサービス提供を支援します。例えば、過去の宿泊履歴や嗜好に基づいた特別プランの提案や、誕生日などの記念日に合わせたメッセージ配信など、顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーションが可能です。また、LINE公式アカウントを通じて、宿泊施設からの最新情報やキャンペーン情報を直接顧客に届けることができ、リピーターの獲得や顧客ロイヤルティの向上に寄与します。これにより、OTA(オンライン旅行代理店)への依存度を下げ、直接予約の比率を高めることが期待できます。
まとめ
宿泊予約システムは、宿泊施設の運営において収益を最大化し、業務を効率化するために不可欠なツールです。しかし、各システムが提供する機能やサポート、料金体系には大きな違いがあるため、自社の運営方針や目指す目標に合ったシステムを選ぶことが重要です。料金面でも、固定費用型や手数料型など、運営スタイルに応じた選択肢があります。特に、客室数や繁忙期・閑散期によって需要が変動する施設にとっては、柔軟な料金体系を持つシステムが有用でしょう。 また、システムの操作性や導入後のサポート体制も重要なポイントです。初めてシステムを導入する施設では、分かりやすいインターフェースや手厚いサポートが安心材料となります。 宿泊施設が提供するサービスやターゲット顧客層は多様化しており、それに伴って必要なシステムの要件も変化しています。本記事を参考に、各システムの特徴を比較検討し、貴施設の成長を支える最適な宿泊予約システムを選定していただければ幸いです。