RevPAR（販売可能客室あたりの収益）について

RevPAR（販売可能客室あたりの収益）とは？

RevPARは、利用可能なすべての客室を基準に収益を計算する指標です。稼働率（OCC）とADRを掛け合わせることで求められ、施設全体の収益効率を評価します。

• 計算式：RevPAR = ADR × 稼働率（OCC）
• または：RevPAR = 総客室収入 ÷ 利用可能な客室数

たとえば、100室のうち50室が販売された場合、稼働していない50室の影響も考慮されるため、収益の実態を正確に把握できます。

販売可能な客室とは？

販売可能という言葉から、故障部屋を除いて、「実際にお客様に宿泊いただくことが状況的に可能な部屋」を販売可能な部屋として計算する宿と
存在している部屋は販売可能であるべき　ということで故障部屋も含んで販売可能な部屋として計算する宿があります。

前者を選ぶメリットとして、現場運営とレベニューを行う部門が別の場合、販売できない部屋は除いて計算されるのでRevPARが高くなります。
デメリットとして、現場運営とレベニューを行う部門が同一の場合、稼働率が低く推移している場合は故障した部屋を修繕しない方がRevPARが高くなるため、修繕スピードが低下する可能性があり、機会損失による売上減少の可能性があります。

ステイシーでは、存在している部屋はRevPARの対象として計算しています。
これによりマーケティング部門が別でも、故障部屋の早期復旧に気を配ることが期待されます。

RevPARとADRの違いをわかりやすく比較

ADR：販売された客室1室あたりの収益性に注目。

RevPAR：施設全体の収益効率を評価。

たとえば、ADRが高くても稼働率が低い場合、RevPARは低くなります。一方で、稼働率が高くても単価が低ければ、収益効率は向上しません。つまり、ADRは「単価」に焦点を当て、RevPARは「単価と稼働率のバランス」を見る指標と言えます。

OCC（客室稼働率）とは？

OCC（客室稼働率）は、利用可能な客室のうち、どれだけの部屋が実際に販売されたかを示す指標です。計算式は以下の通り：

OCC = 販売された客室数 ÷ 利用可能な客室数 × 100

たとえば、100室の施設で80室が販売された場合：

OCC = (80 ÷ 100) × 100 = 80%

OCCは、施設の稼働状況や需要の強さを測るシンプルな指標ですが、収益性そのものを直接評価するものではありません。

RevPAR（販売可能客室あたりの収益）とは？

RevPARは、利用可能な全客室を基準に収益を計算する指標で、稼働率（OCC）と客室平均単価（ADR）のバランスを評価するものです。計算式は次の通り：

• RevPAR = ADR × OCC
• または：RevPAR = 総客室収入 ÷ 利用可能な客室数

たとえば、平均単価（ADR）が1万円で稼働率（OCC）が80%の場合：

RevPAR = 10,000円 × 0.8 = 8,000円

RevPARは、稼働率と単価の両方を考慮した収益効率を測るため、施設全体の経営状況をより包括的に把握するのに役立ちます。

RevPARとOCCの違いを理解しよう！

簡単に言えば、OCCは「どれだけの客室が埋まったか」を見る指標であり、RevPARは「埋まった客室がどれだけの収益を生んだか」を評価する指標です。

たとえば：

• OCCが高くても、単価（ADR）が低い場合、収益性が十分でないことを示します。
• OCCが低くても、高単価の商品が販売されていれば、RevPARの数値は一定以上になる可能性があります。

このように、OCCだけでは収益性を正確に測ることが難しいため、RevPARを併用することで料金戦略や稼働率改善施策の効果を包括的に分析することが可能になります。

1. 単価を上げる！でも、ただ値上げするだけではダメ

単価（ADR）を上げることは、RevPAR向上の基本ですが、ただ料金を上げるだけでは逆効果になることも。大切なのは、お客様に「その料金に見合う価値がある」と感じてもらうことです。

• 特別感を演出するプランの提供：記念日プラン、スイートルームへのアップグレード、地元の体験ツアー付きプランなど。
• ダイナミックプライシングの導入：需要に応じて料金を柔軟に調整し、収益を最大化します。

2. 稼働率を上げる！まずは空室を埋める施策を

稼働率（OCC）を上げることも、RevPAR向上には欠かせません。特に平日や閑散期に稼働率を改善する施策が重要です。

• ターゲットを広げる：ビジネスパーソン向けのデイユースプランやペット同伴OKのプランを導入。
• 特別割引や長期滞在プランの提供：平日限定割引や7泊以上の長期滞在割引を実施。
• リピーター向け特典：会員限定の割引や無料特典で常連客を増やします。

3. 単価と稼働率のバランスを取る方法

単価を上げる施策と稼働率を上げる施策を同時に行うと、収益が最大化します。どちらかに偏らないよう、バランスを取ることがポイントです。

• パッケージプランの販売：「宿泊＋朝食」「宿泊＋スパ利用」などのセットプランを提供。
• オーバーブッキングの適切な活用：キャンセル率を見越して予約を少し多めに受け付けることで稼働率を最大化。

4. OTAと公式サイトを賢く使い分ける

オンライン旅行代理店（OTA）を利用すれば集客力を高められますが、手数料が収益に影響することも。公式サイトを活用して、直接予約を増やす工夫も欠かせません。

• OTAでの集客強化：特に閑散期の稼働率向上に効果的。
• 公式サイト限定特典を提供：駐車場無料やドリンクサービス付きのプランで直接予約を促進。

5. 競合との差別化で価値を高める

競合施設との差別化を図ることも、RevPAR向上に欠かせません。他では味わえない体験やサービスを提供することで、選ばれる施設を目指しましょう。

• 地域ならではの魅力を活用：地元の特産品や観光スポットを組み込んだ宿泊プランを提供。
• 高評価の口コミを活用：口コミサイトやSNSでの高評価を発信し、新規顧客を獲得。

最後に：RevPAR向上のカギは「価値」と「バランス」

RevPARを上げるには、単価と稼働率のバランスを取りながら、お客様に「この料金を払う価値がある」と感じてもらえる工夫が必要です。
ダイナミックプライシングや付加価値の提供、ターゲット層の拡大といった戦略を組み合わせて、収益性を高めましょう。競争の激しい宿泊業界で成功するために、今日からできる改善策をぜひ試してみてください！